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2018年03月12日

田老散歩(12/14/2017)

岩手県宮古市の田老地区を散歩してきました。今回は行程の都合で(休憩込みで)90分程度のコースになります。

宮古市田老地区は、宮古市の中心部から15kmほど北にあります。リアス海岸の湾の奥に位置しており、過去何度も津波によって壊滅的な被害を受けてきました。その後、高さ10mの防潮堤も整備されましたが、2011年の東日本大震災において、防潮堤を乗り越えた津波によって大きな被害を受けました。

この写真は、田老地区の防潮堤より陸側にある国道(45号、以下同じ)からさらに山側を見たものです。坂の側面に見える青い標識が、2011年東日本大震災の津波浸水高です。手前にある空き地も、それまでは空き地ではなかったものと推測されます。

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今回のスタートは、道の駅たろうになります。

道の駅たろうは、もともと田老地区より少し北の山の中にありました。そこの地権者との折り合いがつかず(?)に2016年から現在地に移転を行い、2017年9月にオープンしたようです。オープンとはいっても、駐車場は未舗装ですしまだ建設中の建物もあります。プレオープンと言ったところでしょうね。
その道の駅の中心とも言える、産直とれたろうに寄ってみました。

ちょっと小腹が空いていたのですぐ食べられそうなものを探していると、真崎焼きという文字が目に入りました。300円ということで、まずは購入してみましょう。

一見たこ焼きのようにも見えますが、このあたりの特産品である真崎わかめの茎の部分がたこの代わりに入っています。添付のソースがオタフクソースというのがなかなかいいチョイスですね。みなとオアシスによるSea級グルメのグランプリも獲得したことがあるそうです。


道の駅のすぐ裏(海側)あたりに防潮堤があります。階段で自由に上れるようになっているので、上がってみましょう。

海側には、水産加工場の奥におよそ6階建ての高い建物が見えますが、何やら只者ではなさそうです。1階と2階の壁がなく、鉄骨がむき出しになっています。

これこそが、たろう観光ホテル(跡)です。保存のための工事(国費を投じて行われたそうです)を経て、2016年4月から震災遺構として公開されています。原則的として建物内には立入禁止ですが、所定のツアーに参加すると中に入ることができるようです。
大津波の猛威を感じさせることは言うまでもありませんが、それでも建物が残っていることが特筆されるべきだと思います。このホテルの周辺も含めて、防潮堤より海側にも民家などの建物がたくさんあったのですが、それらは全て跡形もなくなってしまいました。

現在は、防潮堤よりも海側には民家はほとんどありません。


順番は前後しますが、道の駅とたろう観光ホテルの間には、たろうの浜小屋があります(これも後から建てられたものなんだろうナァ)。イートインもできる軽食スタンドといった施設で、以前来たときにはアイスクリームを購入したのですが、このときは冬季休業中でした。


防潮堤に戻り、その上を南方向に歩きます。すると野球場がありました。

宮古市田老野球場ですが、「キットサクラサク野球場」という看板が目立ちます。ここも民家があったところですが、大津波の魔手は防潮堤の奥にあるこの地域にも及びました。防潮堤と国道の間に生じた"空き地"にこの野球場が建設されたのです。1塁側のフェンスが非常に高くなっているのは、すぐ横を国道が走っているからです。
日刊スポーツゴーゴーカレー、そして福岡ソフトバンクホークスの現監督である工藤公康氏から建設支援金が贈られたことでも話題になりました。工藤氏は、この球場で野球教室も開催しているそうです。
また、ネスレ日本や三陸鉄道が中心となった「キット、ずっとプロジェクト」によって誕生した球団、三鉄キットDreamsの本拠地ともなっています。球場、球団ともにこれから美しい花を咲かせていくことが期待されています。

防潮堤はX字状に田老の集落を貫いていました。球場の南側のこのあたりがX字の交点だったようですが...

海側の交点に近いあたりが破損しています。これも東日本大震災の津波被害によるものだそうです。
防潮堤の上は、住民の散歩コースにもなっているようです。中心部(道の駅のあたり)よりさらに山側に昔からの住宅地が残っているほか、たろう観光ホテルの北側の丘を住宅地として造成し(三王団地というらしい)、海寄りに済んでいた住人はそちらに移転しているようです。

もう少し南に歩くと、防潮堤が国道と交わるところで終点となります。その辺りの国道沿いには、そば屋があります。
はなや蕎麦たろう(5/15/2016撮影)
はなや蕎麦たろうです。東日本大震災からの復興を目指して地元田老で育てるようになったそばを提供しています(量に限りがあるので、北海道産などのそばも提供しています)。2015年に前述のたろうの浜小屋で営業を始め、2016年にこの場所で本格的にオープンしました。今回は時間が合わなかったのですが、近くに寄った際には是非再訪したい店です。

さらに南に500mほど離れた所に、三陸鉄道の田老駅があります。

集落の中心部からはやや離れており不便なのではないかと思うのですが、こういう場所にあるからこそ駅への被災を免れたのかもしれません。宮古~田老間は震災から10日目、田老~小本間は19日目に運転が再開しています(Wikipediaによる)。

東日本大震災の記憶を残しながらも前を向いて新しく生まれ変わっていく、そんな田老地区の"いま"を感じることができた散歩になりました。田老地区はこれからも姿を変えていくはずです。簡単に訪れることができる場所ではありませんが、また近い将来にもっともっと元気になった田老地区を見に行きたいと、散歩から3ヶ月が過ぎた今振り返ってそう思いました。

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今回のアクセスですが、宮古市中心部から岩手県北バスの路線を利用しました。行きは、道の駅最寄りと思われる田老中町で下車、帰りは田老駅前で乗車しました。田老中町は国道上にありますが、田老駅前は国道から線路側(山側)に外れた道路上にあるので注意しましょう。運賃は宮古駅前~田老中町で490円です。おっと、もちろん三陸鉄道北リアス線でアクセスすることもできますよ~。

最後に。この日泊まったグリーンピア三陸みやこで、震災前の田老地区のジオラマを見つけました。

ちょっとわかりにくいかもしれませんが、防潮堤の向こうやたろう観光ホテルの周りにもこれだけ民家があったということです。今日歩いてきたところが同じ場所であるという実感がほとんど沸きませんでした。自然の脅威の前には人間は無力なのかもしれませんが、その経験をもとに知恵を絞って自然と共に生きていくことができるのも人間であると言えます。東日本大震災から7年経ったこの日に挙げたこの記事が、震災の教訓が風化することを少しでも食い止めることができれば幸いです...と書こうとしたら、1日遅れてしまいました(^-^;


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タグ :岩手

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Posted by あるでん茶 at 21:27│Comments(0)放浪
 
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